
父と家族とわたしのこと
次の上映:4月26日(日) 09:50 @ ポレポレ東中野
あらすじ
語られなかった戦争の傷 大阪市で喫茶店を営む藤岡美千代。幼い頃、父から激しい虐待を受けて育った。10歳の時にその父が自死したと聞き、思わず万歳してしまうほどだった。だが成長後、彼女自身もまた、娘を虐待 してしまうという苦悩を抱えることになる。 神奈川県でタクシー運転手をする市原和彦。幼少期、父が母に浴びせた「この淫売女が」という黒声は、今も消えない傷として胸に刻まれている。4 0代で結婚するが 、 妻に日常的に暴力を振るってしまったことを、死別した今も悔い続けている。 シングルマザーの佐藤ゆな(仮名)もまた、幼少期の唐待により複 雑 性P T S D (心 的 外 傷 後 ス ト レ ス 障 害)を 抱 え 、娘 と の 向 き 合 い方に迷い続けている。新興宗数に傾倒した母からの過剰な支 配は、今も彼女の心を締めつけている。 三人が抱える「生きづらさ」は、どこから来たのか。 取材を進めるなかで浮かび上がったのは、彼らの父や祖父が、 いずれも戦争に従軍していたという共通点だったー。 生きづらさの、こたえを求めて子どもたちは、親をたどる 近年、帰還兵の多くが深刻なP TSDを抱えていた事実が、ようやく明らかになりつつあ る。癒やされなかった心の傷は、DVや依存症という形で子や孫へと受け継がれることがあり、肉親間の断絶を引き起とすこともある。その連鎖を、いかにして断ち切ることができるのか。 本作でこのテーマに挑んだのは、「ちょっと北朝鮮までいってくるけん。」「生きて、生き て、生きろ。」を手がけてきた島田陽磨(日本電波ニュース社)。戦争や国家分断という 巨大な力に翻弄されながらも、自らの足で立とうとする(個人)を記録してきた監督と、 戦後日本の現実を記録し続けてきた日本電波ニュース社が、戦後80年の節目に、受け継がれた痛みと向き合う人々の姿を静かに見つめる。
- 監督
- 島田陽磨